21世紀型猫背 睡眠が落ちていく
21世紀型猫背とは縦の背骨ラインの弯曲と横の肩甲骨ラインの弯曲が合成したものを指します。スマホPC生活での長時間がその原因です。
多くの臨床現場でこの数年気づくことは、布団よりも硬めの治療ベッドにあおむけに寝る患者さんの肩がベッドからとても浮いていることです。重力に逆らわなければペッタリ床に対してあまり浮かないのが普通ですが、重力に逆らい両肩がとても浮いているのです。
背中の湾曲を頂点に横の肩甲骨ラインのアーチと縦の背骨ラインのアーチの結果です。
まるで亀が裏返しになっている姿なのです。
このような状態で深い睡眠が得られるとは思えません。人は上向き、横向きを繰り返しながら体内循環、体温調整などを睡眠中にしているからです。逆に言えば棺桶の中で寝返りも打てない状態で寝ているようなものとも言えます。子供の寝相が表わすように寝返りを打つことが健康で自然である姿です。それが大人になり慢性ストレス化すると寝返りを打たなくなったり、体の歪みが大きいと片側ばかりの寝相になったりするのです。
平らなベッドに平らな体というわけにはいきませんが、出来るだけ重力に逆らわない脱力した状態で眠れるようになることが自然ではないでしょうか。本当に子どもの寝相は脱力そのものです。
日本猫背矯正協会では、猫背矯正の手技の完成度をこの寝た時の姿勢で確認します。施術前の肩の高さと施術後の肩の高さ。更に患者さんに尋ねます。「肩や肩甲骨が今どんな感じ」
すると本当に「肩甲骨がべったり付きます」「肩が浮いていない」と喜んでいただけて施術完了なのです。
「睡眠負債」なんて言葉か流行りましたが、その原因が猫背にあったとしたら?知らない間に進む猫背。同時に進む睡眠負債。毎日のセルフケアと一旦リセットするための治療時期が必要な方がとても多い気がします。