脊柱管狭窄症のセルフケア|腰を無理に伸ばさないことから始めましょう
「歩くと腰や脚が痛くなる」
「少し歩くと休みたくなる」
「立っていると痛いけれど、座ると楽になる」
このような症状でお悩みの方は、脊柱管狭窄症の可能性があります。
脊柱管狭窄症は、背骨の後面にある部分に変化が起こり、腰や脚の痛み、しびれなどによって長い距離を歩くことが難しくなる疾患です。特徴的なのは、立っている時や歩いている時には症状が出やすいのに、座ると症状が軽くなることです。
そのため、「歩くことが健康に良いから、頑張ってウォーキングをしよう」と考えてしまうと、かえって症状を悪化させてしまうことがあります。
脊柱管狭窄症のセルフケアでは、まず「何をすれば痛みが楽になるのか」を知ることが大切です。
「良い姿勢」と「痛みを減らすこと」は同じではありません
脊柱管狭窄症の方に、ぜひ理解していただきたいことがあります。
それは、「良い姿勢」と「痛みを減らすこと」は、必ずしも両立しないということです。
一般的には、「背筋を伸ばして胸を張る姿勢が良い姿勢」と考えられています。
しかし、脊柱管狭窄症では、腰を伸ばした姿勢になることで症状が強くなることがあります。
反対に、腰を曲げた姿勢や座った姿勢では、痛みが軽くなることがあります。
そのため、症状が強い時期に「姿勢を良くしなければ」と考えて、無理に腰を伸ばそうとする必要はありません。
まず痛みを軽減すること。
そして、痛みが落ち着いてから、少しずつ良い姿勢へ移行していくことが大切です。
痛みが強い時は「前かがみ」を利用しましょう
脊柱管狭窄症では、歩行時に痛みが出やすいため、歩く時には少し前かがみになる姿勢を利用してみましょう。
そのために有効なのが、膝を軽く曲げて歩くことです。
膝を伸ばして背筋をまっすぐにした姿勢よりも、膝を少し曲げることで自然に身体が前傾します。
「腰を曲げて歩くのは姿勢が悪い」と思うかもしれません。
しかし、今は「良い姿勢で歩くこと」よりも、痛みを増やさずに歩ける姿勢を作ることを優先してください。
痛みが軽くなる姿勢を上手に利用することが、脊柱管狭窄症のセルフケアの基本です。
ウォーキングで痛みが出るなら無理をしない
脊柱管狭窄症になると、「運動不足にならないように歩かなければ」と考える方が多くいます。
しかし、歩くことで腰や脚の痛みが出るのであれば、無理にウォーキングを続ける必要はありません。
特に、
- 長距離のウォーキング
- 長時間の立ちっぱなし
- 胸を張って歩く
- 痛みを我慢して歩き続ける
といった行動は、症状を強くすることがあります。
大切なのは、痛みを増やさずに身体を動かす方法を見つけることです。
自転車を利用するのもおすすめです
歩くと痛みが出る一方で、自転車なら楽に動けるという方がいます。
自転車は自然に身体が前かがみになるため、脊柱管狭窄症の方でも比較的楽に移動できる場合があります。
歩行の代わりに自転車を使って移動したり、軽いバイクトレーニングを取り入れたりするのも一つの方法です。
「歩けないから運動できない」と考える必要はありません。
自分の症状に合った姿勢と運動方法を選ぶことが大切です。
スクワットで足とお尻を鍛えましょう
脊柱管狭窄症のセルフケアでは、腰だけに注目するのではなく、歩行を支える足とお尻の筋肉を鍛えることも重要です。
そのために取り入れたいのがスクワットです。
スクワットは、膝や股関節を曲げ伸ばしすることで、太ももやお尻を使うことができます。
最初から無理な回数を行う必要はありません。身体の状態を確認しながら、できる範囲から始めてください。
継続して足とお尻を鍛えることで、歩行を支える力をつけていきましょう。
杖を使うこともセルフケアの一つです
脊柱管狭窄症で歩くことがつらい場合、杖を使うことも選択肢になります。
「杖を使うのは嫌だ」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、杖を使うことで身体が自然に前かがみになり、歩行時の負担が軽くなることがあります。
大切なのは、杖を使わずに無理をすることではありません。
どうすれば痛みを少なくして歩けるのか
という視点で考えてみましょう。
杖を使って楽に歩けるのであれば、それも身体を守りながら生活するための一つの方法です。
「腰を伸ばす」のは後からで大丈夫です
脊柱管狭窄症のセルフケアで最も大切なのは、順番です。
最初から「腰を伸ばす」「背筋を伸ばす」「正しい姿勢で歩く」ことを目指すのではありません。
まずは、
痛みが楽になる姿勢を利用する。
↓
腰を曲げた姿勢や座位で症状を落ち着かせる。
↓
痛みを悪化させない範囲で足やお尻を鍛える。
↓
症状が落ち着いてきたら、少しずつ身体を起こしていく。
この順番で考えてみましょう。
「姿勢が悪いから治らない」と焦る必要はありません。
今の身体にとって楽な姿勢を知り、その姿勢を利用しながら症状を落ち着かせることが先です。
そして、身体の状態が変化してきたら、少しずつ姿勢を改善していきます。
脊柱管狭窄症のセルフケアは、無理に痛みを我慢して身体を変えることではありません。
今の身体に合った姿勢や運動を選び、痛みを増やさずに生活できる環境を作ることから始めてみましょう。
「背筋を伸ばさなければいけない」ではなく、「今は楽な姿勢を使っていい」。
この考え方を持つだけでも、脊柱管狭窄症との付き合い方は変わってきます。


