食いしばりセルフケア

2023/01/02

食いしばり癖の原因はストレスと言われます。しかし私はもっと深いコンプレックスに近いものだと考えています。食いしばり癖のある方は全員頑張り過ぎで真面目な性格です。私も食いしばり癖があります。手技や力を扱う仕事なのもその原因の一つですが、だからこそ何をしたらいいのか、研究と実験をしてこの手技を編み出せたのです。

「顎小顔矯正」や「食いしばりコース」をすることで食いしばり指数は間違いなく低下していきます。しかしキックり腰のように完全にゼロになることはありません。ストレスが身辺で起こればどうしてもストレス指数は上昇するものだからです。また食いしばりとはストレス発散効果があります。犬や鳥が固いものを噛んでストレス発散しているのを知っていると思いますが食いしばりとは同じ現象なのです。しかし、食いしばり指数が90-100だととても生活が苦しくなります。起床時の寝足りない感、顔顎筋の疲れ、頭痛肩のコリ、自律神経の乱れと症状は多岐に渡ります。

ここで理解してほしいのは、食いしばり指数を0にしようと思うとそれが逆にストレスになってしまいます。特に就寝時に起こる食いしばりですから自己管理なんて元々できないのです。臨床上食いしばり患者さんも食いしばり指数が現在の50％ぐらいになるだけで生活上の不快感はほぼなくなります。朝の寝足りない感、顔顎の疲れ感など、口腔内をチェックすれば食いしばりはしているものの、本人は「最近とても楽です」となるのが食いしばり疾患の特徴です。ぜひ皆様も食いしばり癖の完全消失を目指すのではなく、半分緩解することを生活目標にしてください。そうすればセルフケアだけで快適な生活ができます。

<有効なセルフケア>

上述したように一般的にはストレスが原因とされる食いしばりも、その根底には「怒り、恐怖、義務感」等のコンプレックスが多く含まれています。幼少期に感じた感情複合が原因の本質であり、日々のストレスを感じることで増幅され、食いしばり症状を発現していくように推察しています。当院では深いカウンセリングは行っていませんので、ハリを使った症状緩和、自律神経の安定をメインに、ストレス症状の緩和を食いしばりの施術として行っています。

ボールを叩く・・・ストレスとなる対象者、対象物があるなら、それを殴るつもりで叩いてください。その意味で球技はすべてに効果的です。叩いているうちに不思議とストレスは緩和していきます。

運動不足・・・汗、呼気ともにストレスは緩解します

顎・側頭部のマッサージ・・・ゴリゴリではなくゆっくり長く押し続ける感じで

顎の筋肉に湿布・・・寝ている時に湿布を使ってみてください

日中生活・・・気づいたら脱力

舌の位置・・・舌先を上あごに軽く触れてみてください。人は顎に力を入れることができなくなります

舌マッサージ・・・舌先で口腔内をマッサージしましょう

亀生活を打破・・・デスクワーク中に背伸び、肩回しをしましょう　トイレの際に体を少しでも動かしましょう

肩マッサージ・・・食いしばり癖の方の肩こりは全員後頚部ではなく前頸部です。首の前面部と側面部をマッサージしていきましょう。筋肉名称は斜角筋です。

食いしばりをしているサインとは「口腔内歯痕」と「舌歯痕」です。

これらが特に起床直後に深くできていたなら食いしばりをしています。歯痕の深さで食いしばりの強さもわかります。日々の目安にしてみてください。